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不倫・浮気相手が慰謝料を払わない場合の対処法6選!注意点も解説

2022.9.16

浮気相手_慰謝料_払わない

配偶者の不倫・浮気により浮気相手へ慰謝料請求したものの、相手から払わないと言われるケースは多く、「慰謝料を催促しても払わないから法的手続きを検討する!」と考える方も当然いらっしゃるでしょう。

しかし、浮気相手にも慰謝料を払わない理由があり、また全ての不倫・浮気で慰謝料請求が可能ではないのです。

この記事では浮気相手が慰謝料を払ってくれない場合の対処方法について解説し、合わせて浮気相手への慰謝料請求の注意点もご紹介します。

この記事が浮気相手からスムーズに慰謝料を請求できる糸口になれば幸いです。

不倫・浮気相手が慰謝料を払わない理由7つ

浮気相手_慰謝料_払わない

不倫とは法律上では「不貞行為」と呼び「配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」とされています。

また不倫の慰謝料は、不倫で受けた精神的苦痛に対する損害賠償を金銭で償うことです。

浮気した配偶者と浮気相手の二人は、夫または妻の権利を侵害した不法行為に対して損害賠償責任を負う必要があります。

調停や訴訟では、浮気をされたことによる精神的苦痛から、過去の判例も参考にして慰謝料の金額を決定しますが、不倫・浮気が発覚して浮気相手へ慰謝料請求をしても、全ての浮気相手が払ってくれるわけではありません。

不倫・浮気は悪いことであるのは明確なのに、どうして浮気相手が慰謝料を払わないと言い張るのでしょうか。

ここからは浮気相手が慰謝料を払わない理由や原因について以下の7つを解説します。

不倫・浮気相手が慰謝料を払わない理由7つ
  1. 証拠がないから
  2. 自分に非がないと思っているから
  3. 無理強いされたから
  4. 支払うお金がないから
  5. 感情的に払いたくないから
  6. 自分だけ請求されるのは納得がいかないから
  7. 弁護士に止められたから

1.証拠がないから

そもそも請求者の勘違いであって、浮気の事実そのものがなかったり、浮気の決定的証拠が揃わなかったりするパターンです。

浮気をしている方も、浮気をしていることをできるだけ隠そうとしているはずなので、浮気の証拠を見つけることはそう簡単ではないのです。

当然のことではありますが、浮気の決定的証拠がなければ、慰謝料を請求しても相手に支払う義務は残念ながらありません。

もしもあなたが不倫・浮気の慰謝料請求を考えている時には、証拠を見つけて確証を得てから慰謝料請求を行う必要があることに注意してください。

浮気の証拠についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご確認ください。

2.自分に非がないと思っているから

浮気相手自身が「自分に非はない」と思っている場合で、それには2パターンがあります。

1つは請求者の配偶者が嘘をついて「自分は結婚していない」と浮気相手に話していた場合で、この場合は浮気相手は嘘をつかれた被害者にもなりえます。

2つ目は配偶者が「既に夫婦生活が破綻していた」と告げて浮気していた場合で、この時も「夫婦関係を壊したのは私ではない」と浮気相手が非を認めない場合があります。

これらのケースでは、慰謝料請求すべきかを一度見直す必要があるので気をつけてください。

3.無理強いされたから

もしも浮気相手に浮気する意思が元々なく脅迫や暴力で肉体関係を迫られたため関係を持ってしまった場合、浮気相手は慰謝料請求を拒むことができます。

しかし、少し強めの誘いなら断ろうと思えば断れたと考えられるケースもあるので全てではありませんし、慰謝料請求した時点で暴力によるものだったと告げずに後から言ってきた場合は、慰謝料を支払いたくない言い訳のこともありますので慎重に判断しましょう。

仮に脅迫や暴力で肉体関係を持ってしまったことが本当だった場合は、大変デリケートな問題に発展していくので、どちらにせよ慎重に対応する必要があります。

4.支払うお金がないから

一般的に慰謝料とは、一括払いで期日までに払うように請求書が送付されます。

慰謝料を払いたくても金額が高額すぎて払えないパターンは少なくなく、特に浮気相手が若くて一人暮らしという場合は、支払うお金がないと言ってくるはずです。

この場合は支払い期限を延ばしたり、分割にして払ってもらうようにして、浮気相手が分割払いに応じたら、きちんと公正証書に残して分割払いの約束をしておきましょう。

経済状況によっては起こりやすい問題とも言えるので、慰謝料を支払わない理由として支払うお金がないことがあることを覚えておきましょう。

5.感情的に払いたくないから

夫婦関係が破綻していたと吹き込まれていた場合などでは、感情的に慰謝料を払いたくないと拒否されることがあります。

法律的には慰謝料の支払義務があるのですが、そういった法律を知らない人は慰謝料を支払うまで時間がかかるでしょう。

内容証明郵便を受け取らない、電話も無視する場合には、裁判所を利用して「支払督促」や「訴訟」を起こすこととなります。

そういう浮気相手ならば、まず弁護士に相談して慰謝料回収の策を講じる必要があります。

6.自分だけ請求されるのは納得がいかないから

浮気相手にだけ慰謝料請求され、配偶者には免除された時は、「浮気した配偶者も悪い!」と、浮気相手が納得いかずに慰謝料請求を拒む場合があります。

自分だけが高いお金を支払うことを嫌がり、あわよくば慰謝料の請求を取りやめてもらおうという魂胆でしょう。

しかし、配偶者に慰謝料請求するのはまた別の話になるので、この理由で請求を拒むことはできません。

もしも浮気相手がそのような理由で慰謝料の請求を拒否したとしても、拒むことはできないので、裁判を開くなりして正式に慰謝料を請求しましょう。

7.弁護士に止められたから

浮気相手が弁護士に相談して「慰謝料を払う必要はない」というアドバイスを受けた場合ですが、浮気相手は自分の都合の良い話しか弁護士にしていないかもしれないし、弁護士も依頼人を守るためにそう言ったのかもしれません。

この場合は浮気の事実を確実に突き止め、再度請求していくことになるでしょう。

探偵事務所か興信所に浮気調査を依頼して確かな浮気の証拠を集めて貰うか、こちらも弁護士に相談してみることをおすすめします。

慰謝料請求の前にすべきこと

浮気相手_慰謝料_払わない

まず、浮気が発覚して慰謝料で悩まれている場合は、家族や友人だけではなく、必ず法律の専門家に相談するようにしましょう。

離婚問題を得意とする弁護士であれば、慰謝料の相談以外にも、離婚の手順や財産分与、親権や養育費なども詳しいはずです。

無料相談も可能な法律事務所が増えているので、慰謝料請求が可能かどうかの相談にも気軽に応じてもらえます。

もし法律事務所に行くのが敷居が高ければ、お住まいの地域の各役所で相談することも可能で、役所では無料で専門家に相談できる窓口を設けていることも多いので、そこで法律相談ができるかもしれません。

慰謝料の相場を確認しておく

不倫の慰謝料請求としては50~300万円程が相場だと言われています。

慰謝料の額を決める際には、主に以下の事項を検討する必要があるので、もしもあなたが慰謝料の請求を考えているようなら参考にしてみてください。

専門家へ相談する際に、これらの情報を先に詳しく説明しておけば、より具体的な慰謝料額を算定できると思います。

  • いつから婚姻期間にあるか
  • 元々の夫婦関係はどうなのか
  • 子供の有無やその影響
  • 不倫していた期間やその頻度
  • 過去にも不倫したことがあるか
  • 浮気相手の収入や資産の額
  • 相手の謝罪があったかどうか

浮気の示談金・慰謝料の相場について詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてください。

専門家に依頼をする

専門家に相談せず、当事者同士で慰謝料問題を解決しようとすると、何かと問題が起こる可能性が高くなりますので、話し合いの際は弁護士に介入を依頼しておき、中立の立場で話を進めてもらいましょう。

浮気相手と直に話し合うのであれば、場所は個室や自宅などではなく、喫茶店などの人がいる場所や弁護士事務所で行ってください。

専門家を交えないと、慰謝料が相場と合っていないのに話し合いが面倒臭くなってしまい、つい和解してしまう事も多いです。

専門家に適切な慰謝料を算定してもらい、正当な権利を主張しましょう。

不倫・浮気相手に慰謝料請求できるケース4つ

浮気相手_慰謝料_払わない

これまでの説明で、場合によって慰謝料請求ができないケースもあるということがお分かりいただけたかと思います。

では実際にどのようなケースだと慰謝料請求ができるのか気になりますよね?

実際に、不倫・浮気相手に慰謝料請求できるケースとしては次の4つがあるので順番に紹介し解説していきます。

不倫・浮気相手に慰謝料請求できるケース4つ
  1. 浮気相手と肉体関係があった
  2. 浮気相手に故意や過失があった
  3. 浮気相手に自由意思があった
  4. 浮気相手に夫婦関係を壊された

1.浮気相手と肉体関係があった

慰謝料請求における判断基準は肉体関係があったかどうかです。

肉体関係があったという決定的な証拠があれば、慰謝料請求は可能となりますが、その証拠とはラブホテルで支払ったクレジットカードの明細記録や、二人でラブホテルへ出入りする動画などです。

しかし、社会通念上許されない程の親密な関係を持っていた場合は、例外として慰謝料請求が認められることがあります。

たとえば二人で頻繁にデートしていて、キスまでしていた場合などです。

そこに肉体関係はなくても「夫婦の平穏・円満な共同生活を送る権利」を侵害したとして、慰謝料を支払わなければならないケースもあります。

2.浮気相手に故意や過失があった

不倫・浮気相手に慰謝料請求できるケースの一つとして、浮気相手に故意や過失があったことが挙げられます。

「故意」とは浮気相手が、既婚者だと知っていて肉体関係を持ったことを指し、「過失」とは仮に既婚者だと知らなかったとしても注意していれば分かったのではないかと思われる場合を指します。

浮気相手に故意や過失があったと見なされる場合は、慰謝料請求の対象となるので覚えておきましょう。

浮気相手の話を聞き、既婚者だと知って関係を持ったり、注意したら分かるような状況だったことが明らかになれば、慰謝料を請求することができます。

3.浮気相手に自由意思があった

「自由意思」とは、浮気相手が恋愛したいと思った気持ちのことです。

相手が既婚者だと知りつつも、その人と肉体関係を持ちたいと積極的に思ったのなら自由意思があったと見なされ、この場合は慰謝料請求が可能となります。

こちらは前述の「浮気相手に故意や過失があった」ことと若干被ってしまいますが、同じく浮気相手の話を聞き、自由意志があったことが明らかになれば慰謝料を請求するといいでしょう。

4.浮気相手に夫婦関係を壊された

「夫婦関係がうまくいってない」というのは浮気の常套文句なので、説明を鵜呑みにして不倫関係になっても慰謝料は発生します。

浮気によって慰謝料請求ができるケースには、浮気相手に円満だった夫婦関係を壊されたと認められなければいけません

浮気によって夫婦関係が破壊されたと証明できれば、慰謝料請求の対象となります。

浮気相手に慰謝料を請求したい時は、浮気相手によってこれまで円満だった夫婦関係が壊されたことを証明してみましょう。

不倫・浮気相手に慰謝料請求できないケース6つ

浮気相手_慰謝料_払わない

ここまで不倫・浮気相手に慰謝料を請求できるケースを紹介してきましたが、一方で慰謝料請求が認められないケースもあることに注意してください。

浮気されただけでも大きなショックなのに、その上慰謝料も請求できなくなってしまったら嫌ですよね。

そうならないためにも、不倫・浮気相手に慰謝料請求するのが難しいケースを予め知っておく必要があります。

不倫・浮気相手に慰謝料請求するのが難しいケースは大きく6つに分けることができるので、これらのケースを順に紹介し解説していきます。

不倫・浮気相手に慰謝料請求できないケース6つ
  1. 浮気の証拠がない
  2. 浮気相手に故意や過失がない
  3. 浮気相手に自由意思がない
  4. 慰謝料をすでに受け取っている
  5. 慰謝料請求の時効が過ぎている
  6. 夫婦関係が破綻していた

1.浮気の証拠がない

先程も述べたように慰謝料請求の判断基準は肉体関係があったかどうかです。

恋心を持っているとか二人っきりで食事していただけでは、法的には不貞行為とはいえないので、慰謝料請求はできません。

親密なLINEの記録では客観的に肉体関係があったことまで分からないので不倫の証拠としては不十分なので注意してください。

その場合、浮気相手から「慰謝料請求を求めるなら裁判で争います」と言われることもあり、証拠不十分として裁判で負ける可能性もあります。

浮気の決定的証拠がなく、相手も浮気を否定していれば慰謝料請求はできません。

2.浮気相手に故意や過失がない

浮気相手であっても「相手が未婚だという嘘を信じさせられていた」と認められれば、故意や過失はなかった事となります。

浮気相手が未婚の恋愛関係だと信じ、そう思っても仕方ないと証明されたなら慰謝料請求はできません。

なんとかして、浮気相手が、既婚者だと知った上で肉体関係を持った、もしくは既婚者だと知る状況にあったことを証明する必要があります。

もしも一人での調査が難しいようでしたら、探偵事務所や興信所に浮気調査を依頼してしっかりとした証拠を手にいれましょう。

当サイトには探偵について解説した記事がたくさんありますので、ぜひ合わせてご覧ください。

3.浮気相手に自由意思がない

浮気相手が無理やり脅迫されて付き合ったり肉体関係を持たされた場合は、浮気ではなく強姦となり、それはまた別の大きな問題になります。

もちろん強姦なのですから、たとえ結果的に不倫という関係になってしまっても付き合いたいといった気持ちはあるわけがありません。

つまり、そこに自由意思がなかったものとされるので慰謝料請求はできなくなります。

もし強引な誘いがあったとしても、最終的には自分で肉体関係を持ったのなら、そこに自由意思があったと見なされて慰謝料が発生します。

4.慰謝料を既に受け取っている

慰謝料とは配偶者と浮気相手からそれぞれ満額受け取れる訳ではなくて、慰謝料の全額を配偶者と浮気相手に払ってもらう形になります。

そのため、既に配偶者から浮気による慰謝料を受け取っており、それが十分な額だと判断された場合は浮気相手からは慰謝料請求できない場合があります。

あなたが浮気相手に慰謝料を請求する前に、既に配偶者から慰謝料を貰っているかどうか確認する必要があるので注意してください。

逆に言うと、先に配偶者から慰謝料を貰う時は、浮気相手に慰謝料を請求できないので、もしも配偶者と風生活を継続していくつもりなら、浮気相手から慰謝料を請求した方がよいと言えるでしょう。

5.慰謝料請求の時効が過ぎている

浮気の慰謝料請求には時効があり、それは「浮気の事実と浮気相手について知ってから3年」と決まっているので気をつけてください。

せっかく浮気相手の名前や住所を突き止めても、そこから3年以内に請求しなければ慰謝料請求ができなくなります。

しかし、浮気した時期が20年以上経っておらず、3年以内に浮気を知ったものならば、たとえ離婚後でも慰謝料を請求する権利があります。

慰謝料の請求できる期限をしっかりと把握しておくことで、あなたが受けた心の傷を癒やす分のお金を確実に受け取ることができるので、慰謝料がいつ時効になるのか覚えておくことをおすすめします。

以下の記事でも慰謝料請求の時効について解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。

6.夫婦関係が破綻していた

浮気の事実が発覚しても、もともと夫婦仲が悪く家庭内別居や完全別居状態にあった場合には、慰謝料は減額されます。

しかし、喧嘩が多い夫婦だからといって夫婦関係が破綻しているとは限らないので、そこは客観的に判断されます。

もし夫婦関係が完全に破綻していると認められた場合には、慰謝料そのものが発生しませんので注意が必要です。

浮気相手に慰謝料を請求する前に、あなたとあなたの配偶者の夫婦関係が客観的にみてどのようなものなのか、確認しておきましょう。

不倫・浮気相手が慰謝料を払わない場合の対処法6選

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正当な要求を浮気相手に対して行ったのに、取り決めた期限になっても不倫・浮気相手が慰謝料を払わない場合はどうしたら良いのでしょうか?

ここからは不倫・浮気相手が慰謝料を払わない場合の対処法6選を解説していきます。

なお、浮気相手が不倫の慰謝料請求を無視した場合は、今後の示談交渉や裁判で有利になる可能性があるので覚えておくことをおすすめします。

不倫・浮気相手が慰謝料を払わない場合の対処法6選
  1. 督促状を送付する
  2. 慰謝料請求調停を申し立てる
  3. 財産の差押えを申し立てる
  4. 双方に慰謝料請求する
  5. 財産分与を受ける
  6. 事前に条件を決めておく

1.督促状を送付する

一番にやれる事として、浮気相手には内容証明郵便で督促状を送付すると良いでしょう。

ここで注意しなければならないところは、督促状は相手に支払いを促す書面ですが、法的な効力は持たないという点です。

それでも督促状を「内容証明郵便(一般書留郵便物の内容を日本郵便が証明する制度) 」を利用して送付するのは意味があります。

相手が内容証明郵便を無視した時に裁判で法的措置を検討するので、内容証明郵便を送ることよって法的措置の足がかりになるからです。

2.慰謝料請求調停を申し立てる

もし事前に強制執行認諾付きの公正証書を作成しておけば、裁判をしなくても慰謝料の強制執行が可能になります。

支払義務がある人に強制的に履行させる手続きを「強制執行」と呼びます。

しかし、その公正証書を取り交わしておらず、浮気相手が支払いを渋っているなら裁判所へ慰謝料請求調停を申し立てる方が良いでしょう。

慰謝料請求調停になれば、浮気相手は嫌でも出廷しなければならず、その裁判で支払い命令が出されると、給与の差し押さえをされて強制的に支払うことが決まります。

3.財産の差押えを申し立てる

「差押え」とは、浮気相手が滞納している金銭を回収するための法的手段の一つです。

慰謝料の滞納が続く場合は、財産(浮気相手の給料や預貯金)の差押え命令を裁判所に申立てておくと良いでしょう。

差押えをするためには、申立人が差押え対象の財産を特定しておく必要があり、相手側の財産を調べるには所定の手数料を支払う必要があるのでコストもかかります。

財産開示手続などの取得にかかる費用を、裁判所へ事前に収めておく必要があるからです。

そこまでやっても浮気相手に財産がないと分かれば、差押えの申立て自体が意味のない行為になる場合もあります。

また給料や賞与は4分の1程しか差し押さえできませんが、それは浮気相手の生活を守る必要があるからです。

4.双方に慰謝料請求する

不倫の責任は配偶者と浮気相手の連帯で課されますから、本来は双方に慰謝料請求をするものですが、配偶者に慰謝料を請求しても支払ってもらえない場合は、浮気相手へ慰謝料を請求することになります。

これで浮気相手が慰謝料を全額支払った場合、浮気相手はその配偶者に対して「求償権」という権利を持ちます。

この「求償権」を用いて、浮気相手は配偶者に全額支払った慰謝料のうちの半分の額を請求することができます。

本来は浮気相手と配偶者で慰謝料を折半するものなので、どちらかが全額慰謝料を支払った場合は、その慰謝料の半額を請求する権利があるのです。

5.財産分与を受ける

「財産分与」とは、結婚生活を通して夫婦が築いた共有財産(片方の名義である預貯金や車を含む)を、離婚時に分配することです。

財産分与には3種類ありますが、不倫・浮気相手が慰謝料を払わない場合の対処法としては精神的苦痛に対する慰謝料としての「慰謝料的財産分与」にあたります。

もしもあなたが浮気されて離婚を考えている状況で、むこうに慰謝料を請求しても支払いを拒否された場合は「財産分与」を受けることで慰謝料が支払われるでしょう。

慰謝料は金銭で支払われるものですが、慰謝料的財産分与の場合は家や自動車もその対象となります。

6.事前に条件を決めておく

いざ慰謝料を払う際になってから、浮気相手が「浮気はなかった」と主張することがあるので注意が必要です。

これを防ぐためには、慰謝料の支払いが決まった時点で、慰謝料を払わなかった場合の違約金や条件などを決めておくという対処方法があります。

事前に条件を決めておけば、いざ慰謝料を払わないと言い張ったときの予防線になります。

なお、慰謝料の支払いが遅れた場合は、借金と同様に利息(遅延損害金)が付くので、利息分もきちんと払ってもらいましょう。

不倫・浮気相手が慰謝料を払わない場合の注意点4つ

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不倫・浮気相手が慰謝料を支払わない時の対処法を紹介しましたが、その場合、注意しなければならない点がいくつかあるので気をつけてください。

この注意点を無視してしまうと、最悪の場合はあなたが罪に問われる可能性も出てきます。

不倫・浮気相手が慰謝料を払わないと主張した場合の対応には、次の4つの注意点があるのでしっかりと確認していきましょう。

不倫・浮気相手が慰謝料を払わない場合の注意点4つ
  1. 支払い義務がなければ諦める
  2. 自宅や職場に押しかけない
  3. 証拠は原本を渡さない
  4. 浮気相手の両親に慰謝料を求めない

1.支払い義務がなければ諦める

もし相手が強姦の末の被害者なら当然のことですが支払義務はなく、あなたの配偶者は強姦事件の加害者となるので相手に謝罪した上で配偶者から慰謝料を支払うようにしてください。

その他、不倫・浮気の証拠がないなどで浮気相手に慰謝料の支払い義務がないと法的に決定したら、慰謝料請求はあきらめましょう。

支払い義務のない相手に無理やり請求してしまうと「不当要求」となり「脅迫罪や恐喝罪」に発展する可能性もあります。

浮気相手に支払い義務がないことが分かったのなら、残念ですが慰謝料の請求は諦めてください。

2.自宅や職場に押しかけない

期日内に慰謝料が払ってもらえないからといって、浮気相手の自宅や職場に押しかけたり、周囲に吹聴したりすることは絶対にやめましょう。

浮気相手の自宅や職場に押しかけるのは「住居侵入・建造物侵入罪」や「名誉毀損罪」になる恐れがあります。

周囲に吹聴するのは「名誉毀損」として逆に違法行為となる恐れがあり、さらにネット上で浮気相手の悪口の書き込みをすることも含まれるので注意してください。

不倫や浮気はする方が悪いのですが、一歩間違えるとこちらが罪に問われる立場になってしまうので、慰謝料の請求をする時は慎重に行うことをおすすめします。

3.証拠は原本を渡さない

浮気相手に慰謝料請求をする際は、肉体関係があったとハッキリ分かるような不倫の証拠を持ってる事を伝えると良いでしょう。

その証拠とは、例えば探偵の調査記録やホテルに入るシーンの画像などですが、裁判以外では必ずしも証拠の現物を渡す必要はなく、証拠はコピーで構いません

むしろ原本を渡してしまうと、それを遺棄される可能性があるので、提示するならコピーにしておきましょう。

不倫・浮気の証拠は慰謝料を請求する上でなくてはならないものなので、誰にも渡さずあなた自身で管理するようにしてください。

4.浮気相手の両親に慰謝料を求めない

浮気相手が慰謝料請求に応じない場合、浮気相手の両親に対して慰謝料を請求したいと思う方がいますが、慰謝料請求に応じないからといって、浮気相手の両親に対して慰謝料請求することはできません。

浮気をしたのは本人なので、法的には浮気相手の両親に慰謝料支払義務はないからです。

また、その請求によって、知られたくなかった両親へ不倫の事実を伝えることは、浮気相手からプライバシーを侵害したと訴えられることもあります。

不倫・浮気の慰謝料請求がうまくいかなくても、必ず関係者だけで問題を解決するようにしましょう。

不倫・浮気相手が慰謝料を払わない場合の対処法|まとめ

不倫・浮気相手が慰謝料を払わない場合の対処法|まとめ
  • 浮気相手が慰謝料を払わない理由は多種にのぼる
  • 慰謝料請求できるケースは正当な理由があること
  • 慰謝料請求できないケースなら諦める
  • 未払い時は督促状の送付や調停を検討しよう
  • 請求のために違法行為を犯さないように注意

浮気に伴う精神的苦痛は計り知れないものなので浮気相手に慰謝料を請求するのは当然の事ですが、その前に浮気相手が何故慰謝料を払いたくないのかという理由や原因を知っておくことは大切です。

実は慰謝料請求できないケースもあり、無理やり請求すれば不当要求となってあなたも不利になってしまいます。

事前に正当に慰謝料請求できると確認してから、対処法を順に行うことをおすすめします。

また、対処法に悩む場合は弁護士に相談してその都度アドバイスしてもらうと、法に触れることを知らずにしてしまうこともなく、安心して対処できます。

慰謝料を払ってもらうのにも注意点があるので、法律を守りながら浮気相手と配偶者の双方から慰謝料を請求していきましょう。

この記事が慰謝料請求を求めている方の参考となれば幸いです。

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