浮気で離婚した場合に養育費は請求できる?養育費の相場や請求方法を解説
2022.9.20
『長年連れ添ったパートナーに浮気された』
『子供もいるのに……これからどうしよう?』
離婚したらこれからの生活や子供のことなど不安がたくさんでてきますよね。
そんな時、養育費を請求できる可能性があります。
こちらの記事では浮気による養育費の請求方法から相場にいたるまで、徹底的に解説していきます。
目次
浮気で離婚した場合に養育費の請求はできる?
あなたが信じたパートナーに浮気をされた場合、あなたの頭には離婚という選択肢も出てくるかもしれません。
離婚する時にもしも子供がいる時は、相手に養育費を請求したいと思いませんか?
こちらは相手に裏切られた訳ですから、請求するのは当然の権利だと考えますよね。
しかし、ここで気をつけたいことは浮気と養育費は別問題という点です。
浮気では養育費を請求できない
養育費は「子供が健やかに育つための費用」であり、どのような場合でも「親権」をもつ側が請求できます。
浮気はあくまで夫婦の問題であり浮気されただけでは養育費は請求できないことに注意しましょう。
しかし、相手の浮気で離婚になったら子供を育てるのは当然あなたです。
養育費に関する知識を深め、浮気した相手に養育費を請求していきましょう。
養育費とは?
養育費とは,子どもの監護や教育のために必要な費用のことをいいます。一般的には,子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用を意味し,衣食住に必要な経費,教育費,医療費などが
これに当たります。引用:法務省
子供が成長するまでにかかるお金をまとめて「養育費」と言います。
ここで注意したいのが、養育費には「生活保持義務」がつけられるという点です。
つまり、自分の生活と同じ程度の生活を扶養を受ける者に保持させなければいけません。
「必要最低限の生活」ではなく「親と同等の生活」を保持させるための費用でもあります。
そして「生活が苦しいから払えない」といって支払い義務は免除されず、「生活水準を落として」でも養育費を支払わなくてはいけません。
浮気で離婚した場合に親権を獲得するには
養育費を請求するのに「親権」が必要だということは前述の通りですが、ここではその「親権」を獲得するための要素を解説していきます。
養育費は浮気をされた方ではなく、どのような場合であっても親権を持つ側に請求する権利が与えられます。
繰り返しますが「浮気」と「養育費」は別と捉えてください。
そして「親権」を獲得するために最も重要視されているのが以下の二点です。
・これまでの子供との関係性
・これからの子供との関係性
これまでの子供との関係性
裁判では子供への愛情、これまでどのくらいの時間を育児に割いていたか、どのように接してきたかが重要になります。
また過去に威圧的な態度暴力、ネグレクトなどのDVを子供に加えていなかったか、といったことも詳しく見られます。
子供との関わってきた時間が問われますので、一般的に母親のほうが有利とされています。
これからの子供との関係性
離婚後に子供にどのくらいの時間を割けるかも重要になります。
経済的に不安……という方も安心してください。
そんな時のために養育費があり、養育費を貰えれば子供との時間をちゃんと持てると主張すれば経済力よりも子供との関係、もしくは子供がどちらを望んでいるのかが見られます。
浮気で離婚した場合に養育費を請求するには
ここまでで、養育費や親権の重要さについて解説してきました。次にどうやって養育費を請求するのかを見ていきましょう。
実は養育費の金額・期間・方法は法律で定められているものではなく、夫婦間の話し合いで決められます。
養育費を請求する前に夫婦間でしっかりと話し合う必要があるのですが、なかなか進まず難航することも珍しくありません。
そんな時、どのような対処をすればよいのか?以下の3つのステップがあります。
- 協議
- 調停
- 審判
1.協議
最初に元夫婦間で話し合います。
親として子供が健やかに生活できることを最優先に協議しましょう。
この中で養育費の金額や養育費の支払い方法、養育費の期限などを決めていきます。
後日トラブルが起きないよう公正証書の作成をオススメします。公正証書とは役所で第三者である公務員に作成して貰う公文書です。
2.調停
協議で決まらなかった場合、相手方住所の家庭裁判所に養育費請求の調停を申し立てます。
裁判官1名と調停委員2名からなる調停委員会が、夫婦別々に条件面の話し合いや意見の聞き取りを行います。
ここで決まらなかった場合は審判となります。
3.審判
調停でも決まらなかった場合は裁判所による養育費請求審判となります。
審判は非公開で行われ、ここでは裁判官が一切の事情を考慮し、養育費を決定します。
また、決定に不服がある場合は2週間以内に高等裁判所に即時抗告することができますが即時抗告がないまま2週間経過すると審判は確定します。
浮気で離婚した場合の養育費の相場
実際に養育費の相場はどれくらいなのか、気になりますよね。
浮気で離婚した場合の養育費は、「養育費算定表」という表を目安に計算されます。
支払われる期間は子供が自立するまでの大きく分けて高卒、成人、大卒に分けられますが前述した通り話し合いで決められます。
下の表を確認して頂くと分かりますが、養育費がどのくらい払われるかは、子供の年齢・人数・夫婦の収入などによって大きく異なります。
ですので、こちらでは以下の例を挙げて具体的に解説します。
・ケース①子供が小さい時
・ケース②子供が大きい時
・ケース③収入が少ない時
・ケース④収入が多い時
・ケース⑤子供が2人いる時
ケース①子供が小さいときの相場
子供1人0~5歳、支払う側の年収が300万、受け取る側の年収が300万の場合、養育費は月3~4万円程度を子供が自立できるまでの約20年間支払われます。
ケース②子供が大きいときの相場
子供1人15~19歳、支払う側の年収が300万円、受け取る側の年収が300万の場合、養育費は月4~5万円程度を子供が自立するまでの約5年間支払われます。
ケース③支払う側の収入が少ない時の相場
子供1人0~5歳で支払う側の年収が200万、受け取る側の年収が500万の場合、養育費は月1~2万円程度を子供が自立するまでの約20年間支払われます。
ケース④支払う側の収入が多い時の相場
子供1人0~5歳で支払う側の年収が1000万、受け取る側の年収が500万の場合、養育費は月14~15万
円、15歳からは月16~17万円程度を子供が自立するまでの約20年間支払われます。
ケース⑤子供が二人いる時の相場
子供1人0~5歳で支払う側の年収が500万、受け取る側の年収が500万の場合、養育費は月7~8万円程度を子供が自立するまでの約20年間支払われます。
このように支払う側の給与があがった場合は、それに比例して養育費もあがることになります。
他にも子供の人数や会社員か自営業によっても変動してくるので、養育費の値は変動する可能性があることに注意してください。
再婚したら養育費はどうなる?
浮気の傷も癒え、新しく良いパートナーに出会うこともあると思います。
いざ再婚、となった時に支払われている養育費はどうなるのでしょうか?
また、離婚相手が再婚した場合でも、養育費に変化はあるのでしょうか?
仮に自分(母)に子供の親権がある、という場合で2つの例にわけて解説します。
自分が再婚した場合
再婚相手が子供と養子縁組をしているかで変わっていきます。
養子縁組をした場合、再婚相手は子供の親権者となるので養父の収入に応じて、元夫の養育費が減額、またはゼロになる場合があります。
養子縁組をしなかった場合は親権者にならないので、養育費の金額はそのままとなります。
相手が再婚した場合
離婚相手が再婚した場合でも、再婚相手が社会的に自立できる状態であれば、再婚によって養育費が減額されることはまずないと言えるでしょう。
ただし、再婚相手との間に子供ができた、または再婚相手の子供と養子縁組をした場合は、扶養義務対象が増えるため養育費の減額が認められることがあるので注意しましょう。
その他にも、離婚相手が再婚し養育費が減額される場合とは、再婚相手が重い病気など、やむをえない事情のため社会的に自立ができない状態のときです。
その場合は夫婦間の話し合いでどうするのかを決めましょう。
浮気で離婚した場合に養育費は請求できる?まとめ
- 養育費は「親権」をもっている方が請求できる
- 「親権」を得るには子供との関わりが重要
- 養育費を請求する流れは「協議」→「調停」→「審判」
- 養育費は子供の年齢・人数・親の年収によって増減する
- 再婚した場合、養子縁組の有無が影響してくる
養育費に浮気は関係なく、「親権」を持つ方が請求できます。
浮気はあくまで夫婦間のことですので養育費とは別問題になりますので注意しましょう。
養育費は「協議」→「調停」→「審判」の流れで請求でき、子供の年齢、数、親の年収によって養育費は変動します。
再婚した場合は養子縁組の有無によっても養育費は変動する可能性があります。
浮気で離婚した場合の養育費についてのまとめでした。
この記事が少しでもお力になれたら幸いです。
この記事と関連性の高い以下の記事も、ぜひあわせてご確認ください!