キスは浮気・不倫になるの?慰謝料相場や男女の考え方も解説
2022.9.16
ある日、パートナーが他の人とキスしているのを目撃してしまった場合、あなたならどういった対応をするでしょうか?
その場で問い詰める人もいれば、後からなにか仕返しをするのも1つの方法です。
そもそも、キスという行為が浮気・不倫になるのか気になる方も多いでしょう。
こちらの記事ではパートナーが他の人とキスをした場合、法律的に浮気・不倫になるかについて解説します。
また、キスによる慰謝料相場がどの程度になるのかについてもまとめているので、是非参考にしてください。
目次
キスは浮気・不倫になる?法律上の考え方
パートナーが他の人とキスをした場合に浮気・不倫と感じる方は多いでしょう。
もしもパートナーが他の女性とキスをしていたら、自分に対する裏切りと感じて「訴えたい」と考える方も多いと思います。
最初にキスという行為が法律上で浮気・不倫に該当するのか解説していきます。
一般的な浮気・不倫に対する解釈
私達が浮気・不倫と感じるような行為は2人っきりでデートをしたり、キスをしたりすることだといえるでしょう。
ドラマでも家に帰ってきたパートナーの服や身体にキスマークがあると「あなた不倫してるでしょ!」と問い詰めるシーンがあります。
一般的な浮気・不倫というのは明確なものがなく、それぞれの倫理観などによって判断しています。
ある人は手をつないだだけでも浮気・不倫と感じますし、別の人では肉体関係でなければ許すこともあるでしょう。
法律上の浮気である「不貞行為」とは?
裁判などで浮気・不倫と判断されるためにはパートナーが「不貞行為」を行っていたかが重要なポイントになるのです。
不貞行為というのは民法770条1項1号に基づいて、裁判所が下記のように規定しています。
民法七七〇条一項一号の不貞な行為とは、配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいい、相手方の自由な意思にもとづくものであるか否かは問わない。
引用:「裁判例結果詳細」
法律上の浮気・不倫では、パートナーと浮気相手が肉体関係にあることが1つのポイントになることを覚えておきましょう。
「不貞行為」については以下の記事に詳細が載っているので、よろしければ併せてご確認ください。
法律上キスは浮気・不倫にならない
法律上の浮気・不倫となるのは不貞行為に該当するものです。
そのため、キスだけでは浮気・不倫には該当しません。
肉体関係としてオーラルセックス(しつこい口腔性交)も不貞行為と判断されることはありますが、いずれにしてもキスだけは浮気・不倫とは判断されないのです。
その他、デートへ行ったり2人きりで食事をするという行為も不貞行為に該当しないことを覚えておきましょう。
キスは浮気・不倫になる?男女の考え方
法律上の解釈について解説しましたが、男性と女性それぞれが「キスは浮気・不倫になる」と考えているのかについて解説します。
男女の考え方や意見を知ることも交際していく上で重要なことです。
安易なキスをしてしまうのはあなたのパートナーだけが特別なのか、それとも男性または女性ではついやってしまうことなのか参考にしてください。
男性の考え方・意見
男性の場合は浮気・不倫の基準として「キスをする」、「肉体関係にあるかどうか」が重要なポイントのようです。
つまり男性は、2人きりでどこかへ出かけたり、手をつなぐといった行為だけでは浮気や不倫を認める要素として弱いという考えなのです。
LINEなどで連絡を取ることやお泊りも浮気・不倫ではないという考えていないため、パートナーがいても友達グループと旅行に行くことは平気といえるでしょう。
彼氏が女性と連絡を取っていることに気づいて注意しても、「連絡を取るぐらい良いんじゃないの?」と言い返されてしまうかもしれません。
女性の考え方・意見
男性と比較して女性の場合は浮気・不倫に対する基準は厳しいようです。
多くの女性が「手をつなぐ」だけでも浮気や不倫と考えており、「2人で会う」だけでも許せないと感じる声も多くあります。
男性と比べると女性の方が肉体的な部分よりも精神的な部分でのつながりを重視している傾向が高いことが伺えます。
パートナーが他の女性と楽しそうに連絡を取っていたり2人きりで会っていたら、「浮気だ」と言う女性も少なくないでしょう。
キス以外の法的に有効な浮気・不倫の証拠
キスが法律上の浮気・不倫に該当せず、裁判の証拠として認められる可能性も低いことを解説しました。
では、どういったものが法的に浮気・不倫の証拠として認められやすいのかについて5つ紹介します。
- 肉体関係があったと推測できる写真・動画
- 肉体関係があったと推測できるメールやSNS
- 浮気・不倫を認めた音声の録音
- ラブホテルなど領収書
- 探偵による調査報告書
①肉体関係があったと推測できる写真・動画
先程解説したように浮気・不倫と判断されるのは不貞行為、つまり肉体関係があったかどうかが重要なポイントです。
そのことを証明するものとして「写真」や「動画」は法的に有効と判断される可能性が高いとされています。
例えば、ラブホテルに出入りしている2人の写真や動画、性行為の写真やそれに近いものであれば裁判において重要な証拠になります。
証拠写真に関する詳細はこちらの記事で解説しているので、気になる場合は併せてご確認ください。
②肉体関係があったと推測できるメールやSNS
パートナーのパソコンやスマホに残されている浮気相手とのメールやSNSのやり取りも重要な証拠につながります。
浮気相手とのやり取りから肉体関係があったと推測できる場合は証拠として認められる可能性が高いです。
「今日のホテルきれいだったね」、「今度も抱いてね」などホテルの宿泊や肉体関係を示唆する文言があるかがポイントになります。
③浮気・不倫を認めた音声の録音
パートナーの浮気を問い詰める際は浮気・不倫を認めた「音声」や「動画」を残しておくことをおすすめします。
パートナーが浮気・不倫を認めた音声などは法的な証拠として有効だからです。
録音や動画内容の中で浮気・不倫をした詳しい日時なども告白させておくことで、裁判の時に相手の不貞を認めさせるより有効な証拠になります。
④ラブホテルなど領収書
クレジットカードなどの明細や領収書も重要な証拠になるためきっちりと確認しましょう。
ラブホテルなどを利用していることが記録されたクレジットカードの明細や領収書は、肉体関係を証明することにつながるためです。
先程の浮気・不倫を認めた音声などと一緒に調査して、証拠として用意しておくことをおすすめします。
⑤探偵による調査報告書
浮気・不倫調査を行う際に、自分で調査するのではなく探偵事務所に依頼することもおすすめです。
探偵が調査を行って得られる情報は最終的に「調査報告書」としてまとめられ、パートナーの浮気・不倫を法的に認めさせる証拠として、強い効力を持つ書類になります。
探偵はパートナーの行動を監視してホテルに出入りする様子を記録したり、目撃情報などを集めたりした内容を調査報告書としてまとめてくれるので、自分だけで浮気調査をするのが不安な人でも有効な証拠を得られる可能性が高くなるのです。
探偵事務所から提出される浮気調査報告書については、以下の記事も併せてご覧ください。
キスだけの慰謝料相場
前述の通りキスだけでは不貞行為として認められないため、基本的に慰謝料を請求するのは難しいです。
しかし「パートナーの浮気の証拠がキスしかない」「浮気相手とキスをした証拠しか集められなかった」という方も少なくないと思います。
実はキスだけでも慰謝料を請求できた事例は存在しています。
こちらではパートナーが浮気した証拠がキスだけの慰謝料相場とセクハラによるキスの場合の慰謝料相場について解説します。
- キスだけでの慰謝料の相場
- セクハラでキスをした場合の慰謝料相場
キスだけでの慰謝料の相場
事例として数は多くありませんが、キスだけでも慰謝料が認められたことがあります。
この事例では、パートナーは浮気相手と親密な関係だったことやキスを認めたものの、肉体関係については否定したそうです。
当初は150万円の慰謝料を求めてきたそうですが、不貞行為に及んでいないことから減額交渉を行って慰謝料30万円の支払いで解決した事例があります。
キスだけの慰謝料相場では数十万円程度で、話し合いの中で減額交渉をしていくのが一般的です。
恋人の浮気による慰謝料請求をお考えの方は、以下の記事に慰謝料請求の方法をまとめておりますので、あわせてご確認ください。
セクハラでキスをした場合の慰謝料相場
パートナーの浮気・不倫ではなく、セクハラで無理やりキスをした場合の慰謝料相場についても確認しておきましょう。
たとえば「酔った勢いでキスをしてしまった」、「路上で見ず知らずの女性に無理やりキスして逮捕された」などの場合が該当します。
相手の同意がなく無理やりキスをした場合の慰謝料相場は50万円程度です。
悪質性が高い場合は100万円以上の慰謝料が認められた事例もあり、被害者の感情や交渉の進め方によって金額が変化してきます。
浮気・不倫の慰謝料相場
浮気・不倫の慰謝料相場ではどの程度になるのでしょうか?
パートナーの浮気・不倫が不貞行為と認められた場合の慰謝料相場とその増減要素や慰謝料をもらえる条件についてご紹介していくので参考にしてください。
- 浮気・不倫の慰謝料相場と金額の増減要素
- 浮気・不倫で慰謝料を請求できる条件
浮気・不倫の慰謝料相場と金額の増減要素
パートナーの浮気・不倫が不貞行為と認められた場合の慰謝料相場は約50万~300万円程度になります。
また、夫婦関係を継続する場合は50万~100万円程度になります。
夫婦関係を継続する場合は同じ財産を共有していくことになり、継続しない場合と比べて慰謝料は少なくなるので、慰謝料相場において夫婦関係を継続するかは金額に大きな影響を与えることになります。
別居や離婚も同様なので、慰謝料を請求する場合はパートナーとの関係を継続するかを十分に考えておくことがおすすめです。
その他では婚姻期間の長さや自分自身の落ち度なども金額に関わってきます。
婚姻期間が長いほうが増額につながりますが、パートナーが浮気・不倫してしまうようなあなた自身の落ち度があると減額になるのです。
パートナーのことを無視したり、あなたが過去に浮気・不倫したことがあると減額につながることも覚えておきましょう。
浮気・不倫で慰謝料を請求できる条件
浮気・不倫で慰謝料を請求できる条件は、不貞行為があったことと証拠が必要になります。
その他にも、浮気・不倫として慰謝料請求する場合は、現在の自分とパートナーが婚姻関係にあり、その関係が破綻していない状態であることも重要なポイントです。
事実婚でも請求を認められる可能性がありますが、その場合はお互いの親族に配偶者として紹介していることや3年ほどの共同生活を送っていると認められる可能性が高いです。
キスは浮気・不倫になる?慰謝料相場も解説|まとめ
- 法律上、キスでは浮気・不倫にはならない
- 男女で浮気・不倫になるラインが異なる
- キス以外で浮気・不倫となる法的証拠は不貞行為の写真・動画が重要
- キスだけの慰謝料相場は数十万円
- 浮気・不倫の慰謝料相場は50万円~300万円程度
キスを浮気・不倫になると感じる方も多いでしょうが、法的には認められません。
ただし、キスだけでも慰謝料を請求できる事例は存在するため、弁護士に相談することをおすすめします。
パートナーの浮気・不倫を問い詰める際は不貞行為があったかを聞き出すことと、その証拠を集めることが重要になります。
直接問いただす前に、不貞行為に及んでいるかどうかを調査するために探偵に依頼することも検討してみましょう。